令和3年6月8日、新宮市議会が開かれた。この定例会では、重要な議題として新型コロナウイルスワクチン接種についての進捗や、補正予算案が議論された。
特に注目されたのは、田岡実千年市長のワクチン接種に関する現状報告である。市長は「新宮市では、高齢者に対するワクチン接種を迅速に進めており、4月25日から開始した。先週末には、約1,000名が接種を受けた」と述べた。
新宮市では、高齢者層での接種が進む中、接種率は40.96%に達している。市は7月末までに希望する高齢者全員が接種できる見込みである。田岡市長はさらなる協力を求めながら、接種の推進を力強く訴えた。
また、接種にかかる予算についても言及され、補正予算において新型コロナウイルスに関する支出が強調されている。補正予算案は1億1,000万円余りで、その97%がコロナ関連に充てられる。この内訳には、ワクチン接種業務委託費や職員の手当が含まれている。これらの支出は国からの補助金により賄われる予定である。
さらに、産業振興に関する議案として、産業振興・国道改良対策特別委員会の廃止案も可決された。榎本鉄也議員は「コロナの影響で継続的な活動が困難となっており、委員会としての意義が薄れた」と廃止の理由を説明した。この特別委員会の業務は総務建設委員会に移行される。
今後の議題としては、新宮市の複数の条例改正案も上がっており、介護保険や個人情報保護、図書館条例の改正が議論される見通しである。田岡市長は「行政の透明性を高め、市民の信頼を得るためにも、必要な改正を迅速に進めることが重要である」と述べ、議会の協力を呼びかけた。
今定例会では、市民の健康、安全、さらには市の将来に関わる重要な施策について多くの議論が交わされており、新宮市は今後も市民に寄り添った政策遂行を目指していく姿勢を示している。