令和元年12月12日に開催された新宮市議会の定例会では、市長の政治理念を巡る質疑や市営住宅についての柔軟な対応に関する議論が交わされた。
冒頭、松畑議員は市長に対し「市政は市民のために」という理念について再度伺った。これに対し市長の田岡実千年氏は、「市民が幸せに暮らせるために仕事をしている」と答えた。
その後、松畑議員は、高齢者や障害を抱えた市民のために市営住宅の住みかえ制度を柔軟に設ける必要性を強調。金銭的な条件に関わらず、現在住んでいる高層階から低層階への移動を容易にする必要があると訴えた。市長は「困った方のお話を聞いた中で、これはやるべきだと感じている」と述べ、今後の方針を示したが、議員からは「具体的な研究の成果を知りたい」との要求があった。
また、教育分野においても議論が進み、市営住宅の住みかえ制度と同様に、教育への投資と支援が市政の重要な課題であると再認識された。松畑議員は、「将来への投資である教育にもっと力を入れるべきだ」とし、教職員の体制強化や環境整備の重要性に言及した。教育長の速水盛康氏は「新宮市の重要な課題であり、今後も研究してまいりたい」と応じた。
防災対策については、防災ラジオや戸別受信機の配布に関する質問があり、これらの施策が補助金対象ではないとされるなか、今後の取り組みを見越した地域計画の策定が急務であることが確認された。特に、津波や土砂災害の危険性を考慮した防災計画の充実が求められ、未来の大規模自然災害に備えるための具体的な取り組みの重要性が強調された。
会議は地方自治法に基づき行われ、市長、教育長などが出席し、全体の議論が行われた。市民生活に直結するこれらの施策に対し、今後も議会と市の間で協調しながら実行に移していく意志が感じられた。