令和5年9月14日、新宮市議会は定例会を開催し、主に市の一般予算や医療関連の重要事項が議題となった。
この日程において、特に重要視されたのは、新宮市立医療センターの運営や、医療制度改革に関する質問だ。特に、広域医療連携に関する議論が活発に行われ、市長の田岡実千年氏は、地域医療の重要性を強調した。
「医師不足が続いている中、地域間での協力が必要だ」と市長は述べ、新宮市と那智勝浦町の温泉病院との連携がいかに重要であるかをアピールした。議員からの質問に対し、現在、医療センターから温泉病院へは整形外科や腎臓内科などの医師が派遣されており、この協力が地域住民の医療の安定に貢献しているとの回答があった。
さらに、医療センターの庶務課長岡本真治氏は、「私たちは医療現場での厳しさを踏まえ、学生の実習を通じてより良い医療を提供するため努力しているが、相互の信頼関係が必要である」と述べた。患者の命を守るため、急性期医療を担う医師の指導や、看護実習生のサポートに苦労している様子が伺えた。
また、市民生活部からは、公共交通再編におけるタクシーチケット事業の進捗状況が報告され、関係課は「より便利で効率的な交通手段を模索していく」との意向を示した。特に高齢者や障がい者への配慮が必要との認識も示された。
議会では、また特別養護老人ホームの利用状況や待機者数についても質疑が行われ、現在特別養護老人ホームへの入所待機は約20名であることが確認された。さらに、地域密着型特別養護老人ホームの施設整備計画も進行中である旨が共有された。
一方で、予算に関しては高齢者福祉事業や教育施設の整備推進に向け、さらなる充実の必要性が認識されており、議員たちからは即時の対応を求める声が多く上がった。市長は「できるだけ早い実現を目指す」と答えた。
福田議員が強調したのは、地域医療の重要性と、それを支える職員の働き方改革である。これに対して市長は、「職員が市民目線で業務を遂行できるよう、必要なサポートを改善していく」との意向を示した。
さまざまな分野における質問や報告の中で、議会は市民サービスを向上させるための具体的な施策について活発な意見交換を行った。市の財政状況に逆風が吹く中での地域医療や高齢者支援の重要性が再確認された日となった。