令和元年6月11日、新宮市議会定例会が開かれた。会議には出席議員15名、市長の田岡実千年氏をはじめとする行政関係者が参集し、会期、報告事項、議案などが審議された。
市長の挨拶では、議会議員選挙後の初めての定例会となることに触れ、感謝の意を表した。この定例会では、新宮市の重要な節目である新宮港開港40周年の計画や、歴史的行事の準備について言及され、多くの議員が参加したことへの感謝が強調された。これに関連して新宮水野家入部400周年のイベントも近づいており、歴史のPRに期待が寄せられている。
議事日程の中で特に注目されたのは、予算の繰越しに関する報告だ。財政課長の小林広樹氏によれば、平成30年度の繰り越し事業費は総額で4億6,592万7,000円にのぼり、その内容は防災費や林業費、道路橋りょう費など多岐にわたっていた。特に避難路整備や林道の開設など、防災対策に必要な事業が多く含まれていて、工事が遅れた背景には台風や豪雨による影響があったと報告された。
また、新宮市重度心身障害児者医療費の支給に関する条例の一部改正案も提示された。これは、精神障害者手帳に関しての要件を拡張するものであり、議会内でも議論がされる見込みだ。
特に注目されたのは新宮港埠頭株式会社の業務報告で、ここでは昨年度の赤字に関する懸念が表明された。市と協力して労働環境改善を図りつつ、新規事業への挑戦が求められている状況にある。
質疑応答では、複数の議員から業務の透明性や、財政状況の改善策について強い意見が挙がり、特に新宮水産の経営が注目された。議員たちは、具体的な数字と実効性のある方策を求め、さらなる精査と情報提供を要求した。特に、「収支計算の明細を開示するべきだ」という指摘があり、議論は白熱している。このようにして、議会は市の財政や経済の実態を把握し、地域の安定した発展を目指している。