令和5年3月8日に開催された新宮市議会定例会では、一般質問が行われた。主な議題には、トルコ・シリアへの義援金、交通安全対策、農業振興、そして防災・減災対策が含まれていた。
初めに、大石元則議員がトルコ・シリアの義援金について言及した。彼は友好関係にある串本町が2,000万円の義援金を集めたと述べ、新宮市として何らかの支援を行うべきではないかと訴えた。これに対し、市長の田岡実千年氏は、「本庁1階に義援金箱を設置しており、赤十字を通じて現地へ送る予定」と答え、支援の姿勢を示した。
次に、交通安全に関する質問が大石氏から寄せられた。彼は木ノ川入口交差点改良工事の進捗状況について尋ねた。都市建設課長の工藤英二氏は、工事が令和5年度に先進的な文化財調査を経て令和6年度に着手予定で、渋滞緩和や安全性向上の計画について説明した。議員はまた、高齢者や子供の安全を重視した道路整備の必要性を強調した。
その後、農業振興の重要性が議論された。大石議員は、地域における農業従事者の高齢化や後継者不足の問題を指摘し、新宮市としての耕作放棄地対策や就農支援事業の実施状況について問うた。この件に関連し、農林水産課長の生駒貴男氏は、農地中間管理事業や新規就農者支援事業の進捗を報告した。
防災・減災に関しても重要な質疑が行われた。大石議員は、防災対策課の竹田和之氏から、地域での共助の取り組みの重要性や自主防災組織の活動状況について意見を求め、地域住民との協力体制構築の方針が確認された。
他にも、医療関連の質疑が続き、特にマイナンバーカード利用促進に向けた施策と健康保険税の改定についての議論が交わされた。市民窓口課長の南拓也氏は、マイナンバーカードの申請状況を報告し、利用を促進するための施策を紹介した。
最後に、教育に関する質疑が行われ、中学校統合計画の進捗状況が報告された。教育部長の尾崎正幸氏は統合スケジュールを説明し、地域の理解を得るための取り組みの重要性が強調された。議員は、特に通学路の安全確保について要望を述べ、学校地域との協力が必要であると指摘した。
議会は、市民が安心して暮らせるために今後も多方面からの施策推進が求められる。議員たちはそれぞれの立場から、持続可能な成長を目指して様々な提案が行われることに期待を寄せた。