令和3年新宮市議会の定例会が開催され、新年度予算案が提示された。特に注目されたのは、一般会計予算の総額が165億8,633万3,000円に達し、前年と比較して25億5,368万円の減少となっている点である。
この予算は、新宮市が直面する課題に対応するため、様々な施策が盛り込まれており、特に公共サービスの確保に重点が置かれている。議案の提出にあたり、財政課長の小林広樹氏は、予算の減少について「収入の減少や新型コロナウイルス感染症の影響がある」と述べ、今後の取り組みに慎重な姿勢を示した。
また、具体的な案件としては、教育環境の整備、特に小中学校の整備資金が計上されている。市としては教育面での投資を続け、教育の質を高める方針であるという。さらには、健康づくりを推進するための事業や防災対策にも予算が確保されていることが報告された。
さらに、商業振興策としてプレミアム付商品券の発行が挙げられる。40%のプレミアムを含むこの商品券により、市内経済の活性化を図る考えである。商工観光課長の峪中直樹氏は「地元商店を支援し、新型コロナウイルスによる影響を軽減するための施策として、有効活用したい」と強調した。これにより、参加企業数の増加が期待される。
また、社会福祉施策として、老人クラブやシルバー人材センターへの補助金が引き続き計上され、特に高齢者の社会参加を促進するための活動支援が強化される予定である。健康長寿課の北畑直子氏は「高齢者支援に関しては、地域との連携を深めながら取り組んでいく」と述べ、今後の活動への期待を寄せた。
このように、新宮市議会の予算案は、多岐にわたる施策を通じて市民生活の向上を図ろうとしていることが明らかになった。今後、議会での審議を経て、この予算案がどのように市政に反映されるかが注目される。