令和3年4月22日、新宮市議会臨時会が開会した。今回は新型コロナウイルスに関連した対応策として、ワクチン接種や感染予防対策の補正予算が主な議題となった。本会議では、ワクチン接種にともなう備品・設備投資の補助金支給策について多くの議論が交わされた。
田岡 実千年市長は、ワクチン接種の重要性を強調し、今後の経済活動の再生に向け早期の実施を約束した。特にすでにワクチン接種の予約を行った市民に対し、スムーズな接種を実現するための体制整備を約束した。また、5月の連休中に混乱が生じないよう、情報提供の強化を求めた。
税務課長の木田 和彦氏は、新宮市税条例の一部を改正する議案について、新型コロナウイルス感染症対策として住宅ローン控除の特例の延長や固定資産税の特例新設などを説明した。議案は迅速に承認されたが、市民の理解を得るための広報充実の必要性も指摘された。
商工観光課長の峪中 直樹氏は、事業者への支援として新型コロナウイルス感染対策補助金制度の導入を説明した。この補助金は、事業者が直接支出した検温器具やウイルス除去装置などに補助を出す内容であるが、県との補助金が重複しないような仕組みを考慮する必要がある。また、この制度に関する情報発信方法についても多くの提案があがった。議員たちは、この補助金による感染症対策が市民に十分に届くようにしてほしいと強く要望した。
また、今後の変異株による感染拡大が懸念される中、市内の医療機関の役割も重要とされ、医療センターの担当者からも病床の現状が説明された。新宮市は現在、コロナ患者を20床分まで受け入れる態勢を整えている。しかしながら、効果的な感染対策を講じることが市民全体の安心につながるとし、警戒感を持つことが重要であるという市民にメッセージを発信する必要があるとも述べられた。
全体として、新宮市議会の今回の議論は、感染症の影響を受けた市民や事業者支援に向けたきめ細やかな対応を求めるものであり、例えば、経済活動の再開に際しての慎重さを強調した。市長や副市長は、議員の意見を受けて状況に応じて柔軟に施策を進めていく意向を表明したが、予算の根拠や今後の計画については引き続き議論していく必要があると強調した。