令和6年3月の新宮市議会定例会が開催され、重要な議案が多数上程された。中でも注目されるのは、令和6年度新宮市一般会計予算である。総額178億1,174万7,000円が計上され、前年対比で4.3%の増となっていることが報告された。
市長職務代理者の向井雅男副市長は、予算編成の背景に能登半島地震を挙げ、市民の安全確保や防災対策に万全を期す方針を示した。特に住宅耐震化の促進に関して、「一人の犠牲者も出さない防災対策を進める」と強調した。
また、令和6年度の新宮市は、世界遺産登録20周年という節目の年を迎える。この機会を捉え、地域振興や観光交流に力を入れる方針が示された。これは、地域の魅力を再発見し、国内外からの訪問者を増やす狙いがある。
議案の中には、子ども医療費助成制度の拡充や、ひとり親家庭医療費支給に関する条例改正も含まれている。これにより、より多くの市民が医療サービスを享受できる環境が整っていくことが見込まれる。特に、子ども医療費助成は中学校卒業までから高校生世代まで拡充されることが決まった。
次に、自衛隊和歌山地方協力本部への要望が挙げられ、地域防災力向上のための協力関係が強化されることに期待感が寄せられた。特に、災害時の迅速な支援体制が構築されることが重要視されており、市側から具体的な要望が行われた。
また、姉妹都市との友好関係の構築も重要であり、今年は特にサンタクルーズ市との友好が50周年を迎える。これに伴い、記念行事や交流イベントが計画されており、文化交流による新たな市民交流の促進が期待される。
このほかにも、地域活性化策としてふるさと納税を利用し、市内の飲食業者支援にも努める方針が表明されている。市内飲食店の活性化を図りながら、地域経済の回復を目指す施策が進められる。