令和3年12月の日光市議会では、幅広いテーマに関する一般質問が行われました。
特に注目されたのは、日光杉並木の保護と安全対策です。齋藤文明議員は、日本最長の並木道として知られる日光杉並木街道の保護に関して言及しました。「杉並木は国の特別級の文化財で、保護活用計画の実施が求められます」との発言があり、また「異常気象による倒木の増加が懸念されています」と続け、安全対策の強化が必要だと訴えました。この問題に対し、鈴木伊之教育次長は「栃木県が保護計画を策定し、ボランティアらが環境保全に貢献しています」と答弁し、両者の協力関係が重要だと強調しました。
また、観光業の回復を目指す取り組みも議論されました。大島浩議員は、「アフターコロナを見据えた観光施策が必要です」と述べ、新たなプロモーション活動が首都圏の若者をターゲットにしていることを指摘しました。観光経済部長の山越秀克氏は「新たなルート提案やSNSを活用した広報が実施されている」と明言し、今後の観光施策の展開に期待が高まります。
さらに、通信インフラの整備についても言及されました。特に、在宅勤務の普及を受け、「日光市Wi-Fiを活用したリモートワークやワーケーションの促進に取り組む」との考えが示されました。これに対し、企画総務部長の近藤好氏は「セキュリティー高の設備が求められる」との現実的な課題を示しました。
最後に、児童虐待の現状についても質問がなされ、相談件数や対応の変化について議論されました。健康福祉部長の斎藤雅裕氏は、「昨年度の相談件数は約4,400件で、安定した状況が続いている」と報告し、情報共有の重要性を強調しました。文部科学省は、児童の保護に関する新たな対策を講じる必要性を訴えています。
これら一連の質疑応答を通じて、日光市は多様な課題に直面しつつ、議会を通じて市民との対話を重視していることが際立ちました。市民が抱える声に耳を傾け、今後も適切な施策に繋げていく必要があります。