令和元年9月日光市議会定例会が開催され、一般質問が行われた。この会議では、野生鳥獣問題や保育園のおむつ持ち帰り問題といった市民に関わる重要なテーマが取り上げられた。
まず、齊藤正三議員は「野生鳥獣問題」について質問した。栃木県での野生鳥獣による農林業被害が依然として深刻である中、日光市の捕獲数や農作物への被害額推移について質問し、その対策についても言及した。田中宏充観光経済部長は、具体的な捕獲数のデータを提示しつつ、今後の対策としてICT技術を用いた捕獲手法の導入を進めていく意向を示した。
続いて、福田悦子議員が「保育園のおむつ持ち帰り問題」に関する質問を行った。保護者の負担や衛生面の懸念から、保育園側で使用済み紙おむつを回収する仕組みが必要であるとし、実現可能性について問うた。矢嶋尚登健康福祉部長は、保護者の意見を尊重しつつ、段階的な導入を考えていると答えた。
また、大島浩議員は東京オリンピックに向けた宿泊客誘致策について言及した。日光市の観光資源を活かした宿泊プランが有効とし、日光市が首都圏からのアクセスが良好である点を強調した。田中観光経済部長は、宿泊客増加に向けた誘客プロモーションを進める方針を示した。
さらに、高齢者の安全運転を促進するための助成制度についても質疑が行われ、高齢運転者の事故率低下を目指す施策の重要性が確認された。市として、サポカー購入費助成の実績を報告しつつ、後づけ安全装置に関する対応の難しさについても理解を示した。
最後に、AED設置拡大と市民の救命教育の普及推進についての質疑も行われた。AEDの設置は公共施設やコンビニへの拡大を見合わせているが、講習によって市民の自助意識を向上させる努力も継続されるとのこと。市は引き続き、安心・安全な地域づくりに向けて、講習やAEDの設置に取り組んでいく意向を強調した。
今議会では、市民が直面する多様な問題に対する具体的な議論が行われ、今後の施策につながる重要な情報が交わされた。議員たちは市民の福祉向上に向けて、それぞれのテーマに対し真摯に取り組む姿勢を示した。