令和4年12月の日光市議会定例会では、全24名の議員が出席し、議題に関する幅広い質問が交わされた。
児童虐待防止に関する取り組みについて質問したのは、瀬高哲雄議員で、「令和3年度の児童虐待相談受理件数が高止まりしていることを受け、日光市では適切な対応ができているか確認したい」と述べた。対する斎藤雅裕健康福祉部長は、受理件数は減少傾向にあるものの、通告件数は依然として多い状況が続いていると答弁した。また、警察との連携に関しても言及し、介入が必要な場面での共同対応が重要であると強調した。
次に、日光杉並木の利活用についても議論が交わされた。背景には2025年に訪れる植樹400周年という節目があり、和気一夫教育次長は、県の保存活用計画に基づき、日光杉並木の価値を広めるための具体的な施策を提案した。また、地域との連携を強化し、文化財としての魅力を引き出す必要があると述べた。
続いて、日光ナンバーについての提案もあった。筒井巌議員は「市民の念願である日光ナンバーの実現に向けて、隣接する塩谷町と連携し、国道交通省へ要望している」と発言し、地域振興にも資する観光施策との連携が求められるとした。市では、登録台数を満たすための調査も進めており、支援策の検討が必要であるとした。
さらに、獨協医大日光医療センター移転後の医療体制についても議論された。議員からの問い合わせに対し、斎藤雅裕部長は移転計画の状況を説明し、地域住民の健康を守るための取り組みを継続する方針を示した。
野生鳥獣問題については、近年の捕獲実績や被害額が減少傾向にあるものの、地域住民からの懸念が表明された。特に、鹿や猿による被害の問題が取り上げられ、地域全体としての対策が強化される必要があると認識されている。
次に、少子化対策としての保育園における完全給食化やおむつの持ち帰り問題が挙げられた。これについて、市の関係者は、保護者のニーズを把握し、適切な対応を検討していく考えを表明した。また、日光市では、長期休業日の在り方について、教員の働き方改革や子供の読書習慣の確立など、教育関連の施策も議論された。
市長は、少子化対策について「子育て支援制度の充実を図り、住民ニーズに応じた政策を展開していく」との意向を示し、地域の実情に合った取り組みを進める姿勢を強調した。
最後に、消防団に関する質問もあり、高齢化や団員の減少が深刻な問題であることが改めて認識された。消防活動の重要性を訴える議員に対し、副市長は団員の負担軽減に向けた行事の見直しを検討する意向を明らかにした。