令和5年3月8日、坂戸市にて市政一般質問が行われた。
議題に上がったのは、主に若年成人世代のがん支援に関する問題や、大雨に対する市の対策、さらには公共施設の運営方針についてである。
質問の第1弾では、古内秀宣議員が「AYA(思春期・若年成人)世代の支援」について問いかけた。彼の発言によると、40歳以上や20歳未満の患者は各種支援を受けているが、20歳から39歳の間にいる患者は制度の狭間にいるという。特に、在宅での終末期療養を希望する一部が、経済的理由から自宅で過ごすことができない現状を指摘した。この問題に対し、髙山康彦こども健康部長は「国や県の施策に注視しながら、他市町村の取り組みを参考に進めたい」と述べ、今後の支援体制の構築を約束した。
次に、新井文雄議員は「大雨による被害と内水対策」について質問を展開した。昨年の7月に発生した大雨による影響を振り返り、入西地域での課題や市街地の浸水問題を指摘。関口万須美総務部長は、災害対策本部を設置していなかったが、職員の行動マニュアルによる対応を強調した。今後の内水対策についても、「坂戸、鶴ヶ島下水道組合と連携し、被害軽減に努める」との姿勢を表明した。
平瀬敬久議員からは、「市民が利用しやすいホームページについて」の質問が上がった。現在のホームページの情報量に対し「使いにくい」との市民の声を受け、改善を求める意見が相次いだ。楠本圭司総合政策部長は「利用者目線での改善を継続していく」と答え、市民の声を反映する取り組みをする考えを示した。
また、平瀬議員は公民館の地域交流センター化に関する進捗状況についても質問した。市民からの意見聴取を促し、積極的な意見交換を行う姿勢を見せた。細田英一郎市民部長は「市民アンケートの結果を反映し、地域交流センター化基本計画案を策定する」とし、透明性のあるプロセスで進める方針を説明した。
今回の一般質問では、がん治療の特性や地域の教育環境、災害の予防手段が幅広く取り上げられ、市民への寄り添いを求める声が響いた。市は今後、これらの意見を踏まえた施策を更に進めていく姿勢である。