久喜市議会の令和元年11月定例会が開かれ、市政に関する質問が活発に行われた。中でも市税のキャッシュレス決済導入について、貴志信智議員は、利用者の利便性向上と事業者の生産性向上を目指した施策の必要性を訴えた。実際、他の自治体では税を含む各種支払いにキャッシュレス決済を導入しており、久喜市でも新たな選択肢を提示する必要があると強調した。これに対し、小林広昭財政部長は、導入に向けて検討する姿勢を示した。
また、台風19号の教訓を受けて防災対応が見直されていることが明らかになった。貴志議員は、ハザードマップの目次のわかりにくさを指摘し、地区名を入れる改善を求めた。市民部長は、ハザードマップの修正を行ったと述べたものの、具体的な改善内容には言及しなかった。この台風を通じて、避難所の収容能力の不足や情報伝達の重要性が浮き彫りになった。特に、多くの市民が避難を希望する中で、避難所が限られている状況では、円滑な避難ができる体制が急務であるとの認識が共通していた。
さらに、貴志議員は、避難の際の防災無線の効果に疑問を呈し、音声の聞き取りづらさが影響した点を指摘した。また、避難勧告の際の市民への呼びかけ方法の検討が必要であるという意見が強調された。この観点から、自身の命を自分で守るための早期避難の重要性も改めて訴えられた。市は情報伝達手段として、メールや電話応答サービスを活用する意向を示したものの、情報の受け取れない市民にはどのような対策があるのかという課題が依然残る見込みである。
加えて、中央公民館のバリアフリー化についても意見が挙がり、高齢者や障がい者の利用を考慮した改善が求められた。松蔵議員からは、パートナーシップ制度条例に関する質問もあり、現在市がどのように取り組んでいるのか明確な回答が求められた。
さらに、久喜市内の公園の樹木管理や緑化の推進についても活発な議論が行われ、市民からの要望が強いことが伝えられた。具体的な対策が必要であるとの声が上がり、議会の結果は市の方針に影響を与えるものと期待されている。
今後は、市民の意見を取り入れた施策の充実が求められ、より良い市政を目指す姿勢が重要視されることとなった。