令和5年6月16日に開催された柏原市議会定例会では、地域の課題や市の施策に関する多くの質問が交わされた。
特に注目されたのは、令和5年度の一般会計補正予算についての質疑である。議会では、補正予算が市民の生活をどう改善するのかが焦点となった。市の財政状況は厳しく、今後の見通しには19億円の収支不足が予想されているという。財務部長の石橋敬三氏は、「生産年齢人口の減少や、義務的経費の増加が主な要因である」と述べた。
次に、地域応援キャンペーン事業が進行中であり、多くの市民にとって経済的支援となることが期待されている。市民部長の小林一裕氏は、キャッシュレス決済を促進し、普及に向けた相談会の実施を報告した。このキャンペーンによって、地域の消費が増加することが狙いとされている。
さらに、マイナンバーカードの申請状況に関する質疑も挙げられた。現在、柏原市におけるカードの申請率は約84.7%と、全国的に見ても高数字である。デジタル監の西戸浩詞氏が普及促進に向けた取り組みを説明した。
他方、公共施設の再編についても議論され、特にカウンター機能や図書館の利用条件についての意見が出された。市長の冨宅正浩氏は、市民からのパブリックコメントをもとに計画を進めていく方針を示した。
加えて、文化財の活用推進事業や地域防災計画についても話題となった。具体的には、地域文化財総合活用推進事業が進められ、地域の伝統文化を保つ取り組みに資することが期待されている。また、最近の避難指示による住民の行動について危機管理監の小林聡氏が説明し、適切な避難行動の啓発が重要であると強調した。
今後の課題として指摘されたのは、特に「要配慮者」に対する避難計画の整備であった。福祉部長の森口秀樹氏は、今後の計画が必要であるとし、行政として各種支援が求められる経緯を述べた。
さらに、地方の公共事業の重要性が再確認され、改善に向けた具体的な施策が求められている。議員からは、福祉トンネルの安全対策や情報提供の向上といった要望も寄せられた。
地域の一体感をつくり、持続可能な社会へ向けた取り組みを一層進めていく必要があると、議会では総じて意見が一致した。市全体の施策がどのように進展し、市民の意見がどのように反映されていくかが、今後の鍵となるだろう。