令和3年3月の定例会議では、長崎大学IT学部誘致に関する議論が主な焦点となった。
特に、長崎大学の新たなキャンパス設置に伴う市の負担について議員たちが強い関心を示した。15番の朝長英美議員は、57億円のイニシャルコストと約4,000万円の年間ランニングコストを案じ、市民への説明責任を問う発言を展開。実質34億5,000万円という市の負担について、どれほど市民が理解を示すかに疑問を抱いていると強調した。これに対し、大村市理事の田中博文氏は、「市の負担額を精査して市民にしっかりと伝えたい」と説明した。
また、長崎大学の補助金についての質問も上がり、田中氏は「国からの補助金が10億5,000万円、交付税措置が12億円、合計で22億5,000万円になる」と説明し、大学側ではなく市が受け取ることになると補足した。今後も補助金の適合や市民のメリットを整理しながら、方針を固めていくと発信した。
さらに、自治体間の競争として他自治体が水陸機動団の誘致に名乗りを上げている現状を踏まえ、朝長議員は「オスプレイの誘致も視野に入れるべき」と提案。市長の園田裕史氏は、「議論は価値があり、国防上の必要性を鑑みる必要がある」と語り、各種要望活動を続行する意向を示した。
教育長や市民環境部長、その他の部門の責任者からは新型コロナウイルス感染症対策や教育行政についても詳細が共有され、市の施策が一層の充実を図る方向で進められる。
最終的に、長崎大学誘致については慎重な議論と市民からの理解が不可欠であるとの認識が浸透している中、今後の進展が期待される。特に、各議員からは大学誘致のメリットやデメリット、運営費への対応策を求める声が多く寄せられ、それぞれの立場からの意見が活発に交わされた。