令和5年度の与謝野町議会では、一般会計予算を中心テーマに質疑が行われた。特に注目を集めるのは、学校給食センターの新設計画で、解体を含む大規模な予算が提案されている。このプロジェクトは、建設計画や安全性を巡る住民の理解を得るための十分な説明が求められている。
教育長の柴田雅彦氏は、旧岩屋小学校に新しい給食センターを建設する意義について強調した。岩屋小学校は、地域住民の懸命な議論のもと、解体および新設が決まった経緯がある。ところが、町民からは多くの反対意見もあり、地域の活力を高める機能をどう生かすかが課題となっている。
また、城山公園のテニスコート照明改修についても議論が交わされた。社会教育課の植田弘志課長は、利用者の意見を尊重し、可能な限り経費の圧縮を図りながらテニスの振興に努めると述べた。この照明改修は地域のスポーツ環境の向上に寄与することが意図されており、今後の成果が期待されている。
加えて、移住定住支援事業に関して、農業を希望する移住希望者に向けたサポート体制の整備が重要視されている。農林課の矢野彰男課長は、農地法に基づいた農地取得や賃借の際の支援方法を説明したが、新規就農の難しさがあることも忘れてはならない。具体的な市民ニーズに応えるべく、柔軟な制度設計が求められる。
町長の山添藤真氏は文化庁の移転について、地域資源を活かした観光振興への期待を表明した。その中で、与謝野町が地域の特性を生かしたビジョンを構築する必要があると指摘した。仮に移住希望者が文化庁の支援を受けつつ与謝野町で人生を築こうとする場合、関連施設の連携が鍵を握るという。
与謝野町の未来を見据えた具体的な戦略をここで築くことが、今後の持続的な発展につながると期待される。特に、住民との合意形成が進むか否かがこのプロジェクトの成否を分けるだろう。