与謝野町議会は令和5年9月に開催された定例会で24件の重要議案を上程した。
まず、開会に際し、与謝野町長山添藤真氏は、8月に上陸した台風7号による被害にふれ、特に京都府北部での浸水被害や土砂災害の深刻さを指摘し、被災者への救済策の必要性を訴えた。町長は「一日も早い復旧を願う」と述べ、議員に慎重な審議を求めた。
今回の定例会は令和4年度決算認定を含む重要議案が多く、特に一般会計の収入が122億8,883万円、支出が121億2,660万円と報告された。町長は「実質収支は5254万円の黒字で、今年も財政調整基金を取り崩さなかった」と強調した。今後も財政の健全化を堅持しながら、施策推進に努める考えを示した。
また、山崎良磨議員が提案した建設アスベスト被害者の救済とアスベスト対策の拡充に関する請願書については、全員賛成で意見書を国に提出する方向で議論が進められた。山崎氏は、「アスベスト被害者の支援は未だ不十分であり、監視体制の強化が求められている」と指摘した。これにより、町としてのアスベスト問題への取り組みの必要性が再認識された。
続いて、議案第63号の人権擁護委員候補者の推薦は円滑に承認され、さらには与謝野町財産区管理委員会の新たな選任についても協議が行われた。これは住民に密接した施策を進める上で重要な基盤を築くため、万全を期す決議であった。
一連の議案が審議される中、財政の状況についても話題に上り、今後の厳しい財政運営がどのように影響するのか期待と懸念が交錯した。議員からは「更なる行政効率化と地域振興への多角的な関与が求められる」との声が上がった。全体にわたる議論は、与謝野町が未来に向けてコミュニティを強化する道筋を示すものであった。