令和3年9月の与謝野町議会定例会では、教育のデジタル化や地域再生に向けた新たな取り組みが焦点とされている。
安達種雄議員は、一般質問において小中学校での電子教材利用について教育長に見解を尋ねた。彼はデジタル庁の設立やGIGAスクール構想の重要性を強調し、タブレットの家庭への持ち帰りが、家庭での通信環境の整備が未だ未解決であることを踏まえて、問題があると指摘した。これに対し、長島雅彦教育長は、与謝野町におけるタブレット導入の現状とその利用方法について具体的に説明した。
長島教育長は、GIGAスクール構想について、全国的に進めている一人一台の端末の提供や教育環境整備の状況を述べた。彼はまた、オンライン授業の実施やタブレット端末の活用方法について多様な研修が行われていることを報告した。教師たちは、ICT機器を活用した授業の新たなスタイルを試みているが、家庭の通信環境が未熟なため、持ち帰り活用の普及は慎重に進められていることが明らかになった。
続いて、杉上忠義議員が地域再生や介護予防に関する質問を行った。彼は、地域支援の重要性を訴え、与謝野町の高齢者が集う通いの場所の創出を提案した。加えて、他の自治体の成功例として亀岡市や兵庫県稲美町の介護予防教室の取り組みを紹介した。
町長は、現在進行中の高齢者向けの自主活動について言及し、地域での交流を促す取り組みの重要性を強調した。しかし、緊急事態宣言の影響で一部活動は中止となっているなか、引き続き住民同士のつながりを大切にし、健康促進に役立つ活動の継続を目指している。
さらに、杉上議員は博士館設置についても提起し、町の文化資源を生かすための新しい拠点の必要性を訴えた。町長は、地域の文化や歴史を尊重しつつ、資料館の設置を検討していく意欲を示した。