与謝野町議会は令和3年3月24日、令和3年度一般会計予算についての審議を行った。議案では約1.6億円の予算のもと、混乱した社会情勢に対応するための施策が議論された。
特に注目されるのは生活支援商品券事業の提案である。町はこの事業を通じて地域経済の循環を目指すとし、具体的には「町内のすべての事業者に対して恩恵をもたらす」ことを意図していると強調した。しかし、どの店舗で使用可能なのか、補助金の支給条件に関しては懸念の声が上がっている。
また、議会では公共施設解体工事費が6,721万4,000円に達することについても質疑があった。解体対象は旧加悦社会福祉センターの土地であり、長年の危険度が指摘されていた。この進行は町民の安全を考慮した上での措置であるとしながらも、将来の土地利用についても意見が飛び交った。実際に議論されたのは既存の施設の老朽化だけではなく、解体のタイミングや費用対効果についても多くの質問が寄せられた。
その一方で、京都芸術大学とのコンソーシアム提携についても大きな焦点となった。町長は、同大学との連携が地域の織物事業に活力を与えると述べるが、出資に対する期待値が高まる一方で、実現可能性に関する疑問も多く、進行に難しさが指摘されている。この提携の具体的な成果が見えない中、議員からは「具体的な計画が必要」との指摘が続いた。具体的な販路の提案も不足しているとの批判に対し、町長は「この施策は長期的な視点を持って進めていきたい」と述べた。
また、移住関連事業では移住相談窓口等委託料に165万円が計上された。住民の生活支援商品券事業も含め、地域内経済循環を強化し、町の魅力をより多くの人に伝える機会を持ちたい意向であるとしつつも、実効性が問われる場面でもあった。
今後も議論を重ねていく必要があるとの認識で議会は進んでいく状況ではあり、国や地域に依存しないビジョンを如何に培っていくかが鍵となる。