四万十市で進められている大学誘致について、懸念がいくつか提起されている。特に、関係者の中で最も重要視されているのは、今後、どれだけの学生を確保できるかという点だ。現在計画されている看護大学の定員は80名であり、市内や県内からの応募が見込まれるが、収入や生活の安定を考えると、過去のデータを無視して希望的観測のみで進めることにはリスクが伴う。
上岡正議員が指摘したように、過去6年間のデータを踏まえると、在籍生徒数は限られており、新たに定員を満たすためにはしっかりとした戦略が必要である。特に、隣接する四国内の私立学校と競合する可能性が高く、市民の関心も高い。議事録に示されたように、中村高校の進学先として、四万十市からの進学率を基にしたデータがあれば具体的な分析が可能であるを今後の成果に繋げる必要がある。
また、大学の運営に関して、建設費用の計画も重要な側面である。現行の予算案において、10億円という額が示されており、その内訳についても詳細を確認する必要があるだろう。国からの補助金は期待もされるが、市の税金を使う以上には市民が納得できる方法での資金計画が求められる。特に、負担の公平性という観点からも透明性を持たせる必要がありそうだ。
今後の大学誘致の進行に関して、市長はより多くの市民に意見を聴取することが求められる。加えて、大学の運営体制において、市民とすべての関係者を把握したうえで進めなければ、四万十市全体の利益が損なわれてしまう恐れもあるだろう。市の将来の可能性を見据え、大学を地域の資源として育て上げるためのプランやビジョンが必要であると考えられる。