令和4年9月15日、高知市議会の第492回定例会が開催され、様々な議案が審議される中で特に注目されたのは、公共の安全に関わる議論であった。
初めに、神岡俊輔議員(社民党・市民クラブ)が市内のAED(自動体外式除細動器)設置状況について言及した。神岡氏は、「本市関連の施設に設置されているAEDは172台、その87.8%に当たる151台は、夜間や休日に使用不可」と指摘し、運用の改善を求めた。これに対して、橋本和明総務部長は、「AEDの有効活用と管理について各施設の状況を踏まえ、適切に判断している」と応じたが、現状の問題点は解消されていない。
次に、教育長の松下整氏が、いじめ問題に対する方針について説明。松下氏は、「学校がいじめを未然に防ぐため、教職員研修を強化し、児童・生徒のSOSを見逃さない体制を整える」と述べ、早期発見と初期対応の重要性を強調した。これに対し、市長も早期解決への意欲を示したが、改善にはさらなる努力が必要との声が上がった。
また、議会では国民宿舎の運営についても取り上げられた。昨年10月から休館中の桂浜荘の利活用については、多額の税金負担が課題となり、方針決定に向けた委託費用が計上された。この件に関連し、関係者の意見も盛り込んだ検討が求められた。
最後に、センダイヤ桜の保護についても重要な議論が交わされ、教育長が「桜の後継樹の育成に関する提言を受け、適切な管理を続ける必要がある」とし、市民の理解を得ながら対応していく方針を示した。このような流れの中で、高知市の公共施設や環境整備が進むことが期待される。
今回の議会での意見や提案は、市の政策や市民の安全に直結しているため、今後の取り組みに注視したい。