令和5年第495回高知市議会定例会が、3月7日に開催され、各議案の審議が行われた。
主要な議題の一つは、令和5年度高知市一般会計予算であり、予算案は厳しい財政状況の中での編成が示された。市長の岡崎 誠也氏は、公共施設の老朽化対策として過去最高の約6億6,000万円を確保したことを強調した。特に、道路や公園、教育・保育施設の計画的整備が求められており、効果的な歳出の優先順位づけが重要との考えを示した。
会議では、議員から道路や公共事業予算の確保についての質問が相次いだ。自由民主党の平田 文彦議員は、老朽化した公共施設の修繕予算が前年比で大幅に増加したことを評価しつつ、依然として厳しい財政状況から新たな投資事業の優先順位について懸念を示した。平田議員は、「今年度の予算要求が20億8,000万円に達し、前年の5億3,000万円から大幅に増えたが、依然として十分ではなく、財源確保を急務である」と述べた。
また、商工観光に関連する予算も重要な話題となった。中小企業・小規模企業振興プランが推進される中、県内で進む観光関連施策も紹介された。観光業を支える施策として、NHK連続テレビ小説「らんまん」に併せた観光博覧会も計画されており、観光協議会によるプロモーションが注目されている。商工観光部長の今西 剛也氏は、「この博覧会が地域経済に与える影響について積極的に評価する必要がある」と述べた。
また、教育行政に関しても重要な課題が提起された。教育長の松下 整氏は、老朽化した学校施設の耐震対策に取り組む意向を示し、「安全な教育環境を提供するために必要な施策を進めていく」と述べた。南海トラフ地震への備えを視野に入れた施策が求められており、今後の具体的な取り組みについて期待が寄せられる。
最後に、市長はコロナ禍での市政運営や地域経済の復興が重要であることを再確認し、来年度へ向けた挑戦と進展に向けた決意を述べた。執行部は市民のニーズに応え、共生社会の実現に向けた施策を着実に推進する意向を表明した。