令和3年第487回高知市議会定例会が開かれ、市の補正予算案など多くの議案が上程された。
会議は2021年12月14日に行われ、市第134号から市第153号までの議案が一括議題として質疑が行われた。
浜口佳寿子議員は「エッセンシャルワーカーの処遇改善」を取り上げ、様々な職域で働く人々の賃金について問題提起をした。
浜口議員は、岸田首相が約束した看護師や介護士等の賃上げ策が現場の実情に合っていないと指摘した。「月4,000円の賃上げでは、医療現場に格差が生じている」と述べた。
また、介護保険や保育所に関連する賃金の課題にも言及し、現状は「全産業平均よりも月額7万円から9万円低い」と訴えた。
市長の岡崎誠也氏は、「会議の中で、処遇改善は重要な課題であり、民間保育所を含め、その実績を確認していきたい」との考えを示し、協力を約束した。
さらに小中学校における「未受診率」についての報告もあった。教育長の山本正篤氏は教育現場における健康診断の結果を説明し、未受診者に対する対応強化策について今後も注力する必要があるとした。特に学校では、新型コロナウイルスの影響による受診の控えなどが理由として挙げられた。これらの結果は市の医療支援の充実に直接結びつくものである。
また、浜口議員は「子供の医療費の助成拡充」についても提言し、市長は「保護者の所得にかかわらず、自己負担を求めないよう市全体で取り組む必要がある」との認識を示した。
次に、浜口議員は「市の防災対策の強化」を要求した。防災対策部長の有澤聡氏は、女性の視点を取り入れることの重要性を強調し、さらに幅広い意見を反映した防災計画の策定に取り組む姿勢を示した。
また、男女共同参画の推進や、エッセンシャルワーカーを対象とした持続的な支援策についても話し合われた。市長は「男女共同参画の視点を防災や地域づくりに生かすことが重要」とし、より多くの市民が参加できるようにする必要性を強調した。
議論の中では、エッセンシャルワーカーの処遇改善だけでなく、医療、教育、女性の活躍推進など多角的な施策の重要性が浮き彫りになり、今後の取り組みに期待が寄せられている。