令和3年第483回高知市議会定例会が開かれ、市長の岡崎誠也氏が新年度の予算案に関する説明を行った。
岡崎市長は、令和3年度予算が新型コロナウイルスの影響を受けた厳しい財政状況を反映していると述べた。特に市税収入が前年比で18億円の減少を見込んでいることから、予算編成においては工夫が求められた。
加えて、感染症対策や地域共生社会の実現に向けた予算が組まれ、公共事業や福祉関連の充実も図られる見込みだという。市民生活に密接に関連する生活密着型予算の増加には評価の声が上がっている。
市議会では新型コロナ感染がもたらした影響についても議論され、特に高齢者のワクチン接種について、岡崎市長は「高齢者施設等でのクラスター対策を強化するための施策が重要である」との見解を示した。
また、地方財政計画に基づく歳入予想について批判の声もあり、慎重に見極める必要があるとの意見があった。深瀬裕彦議員は、令和2年度の市税収入が過大ではないかと指摘し、この点について市長に明確な説明を求めた。
市長は「過大な見積もりではなく、客観的な根拠に基づいた予算案である」と反論。加えて、新年度の予算編成にあたって多くの事業が必要としていたことを強調し、地域の経済を支えるための方策に尽力すると約束した。
防災対策部からは、津波避難路整備や市管理河川の浚渫の進捗状況について報告があり、複数の避難路整備が進められているとのこと。ただし、予算が計上されている避難路は限られ、他の自治体に比べ整備が遅れているとの懸念も出た。
教育長の山本正篤氏は、学校施設におけるAEDの設置状況についても言及し、各教育機関での安全確保を継続して行う必要があると述べた。
最後に、参加者全員で故田鍋剛議長への黙とうが捧げられ、その追悼の思いが語られた。議論の結果、今後は新型コロナウイルス対策を一層強化し、地域の皆様が安心して生活できるよう尽力していく方針が確認された。