令和3年第1回鹿児島市議会臨時会が、1月20日に開会した。
この臨時会では、令和2年度鹿児島市一般会計補正予算(第8号)の提案が行われた。市長である下鶴隆央氏は、本市が直面する新型コロナウイルス感染症の影響に触れ、補正予算が必要である旨を説明した。総額は3,541億639万円で、ワクチン接種事業費を新たに計上した33億9,900万円が含まれている。
補正提案の中で、下鶴市長は「市民の安心を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大防止に全力で取り組む」と強調した。議会内では、具体的な接種スケジュールや、社会経済活動との両立に関する質疑が続いた。例えば、大園たつや議員はワクチン接種事業の目的と、事業費に関する詳細を求めた。
市の健康福祉局長・椎木明彦氏は、「新型コロナウイルスワクチン接種事業は、重症化を防ぐために必要だ」と答え、接種にかかる対象者や費用などを明らかにした。全国で承認済みのワクチンには、ファイザー社とモデルナ社のメッセンジャーRNAワクチン、アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンが含まれ、これらについても詳細にわたる質疑が交わされた。
また、市内での接種体制づくりについても言及された。医療従事者を優先させ、次に高齢者や基礎疾患を有する者に接種を行う流れが説明された。これに加え、医療機関での接種や集団接種の方法についても議論が行われた。市長は、効率的な接種体制を設けることで市民の理解と協力を得るよう努める意向を示した。
そのほか、予防接種による副反応についても議論となり、健康被害救済制度の存在や、行政による情報提供の重要性が強調された。市長は「ワクチンの安全性と有効性の重要性を認識しており、しっかりと情報提供を行い市民の信頼を得たい」と発言した。
最終的に、総額約34億円の補正予算は賛成多数で可決された。これにより、本市のワクチン接種事業に向けた準備が整う見込みである。市民の接種に向けた具体的な日程は未発表だが、2月下旬からの実施を視野に入れている。今後、国と市の連携を強化し、ワクチン接種による集団免疫の形成を目指していく方針だ。