観音寺市議会の令和5年第4回定例会が、9月8日に開催され、経済振興に関する問題が主題として取り上げられた。
特に、豊浦孝幸議員によるデジタル通貨事業、銭形Ｋコインに関する質問が重要視されている。この事業は、地域活性化を目的とした取り組みであり、地方自治体における経済活動の新たな手段として注目を集めている。
豊浦議員は、デジタル通貨の普及状況について、利用登録者数が5,148人、加盟店が318事業所に達していることを挙げた。これは、観音寺市全体の事業者数2,880に対して始めて約11％の加盟率を示し、さらなる成長の可能性が期待される。また、小売業や飲食業における登録率もそれぞれ27％、31％と高まりを見せている。
市場での事例を踏まえ、議員は高山市での成功したデジタル通貨、さるぼぼコインを引き合いに出し、観音寺市でも同様の戦略を採るべきだと強調した。市長の佐伯明浩氏も、その利活用に向けた検討を約束している。例えば、病院や行政機関での利用を図ることなどがあり、先進地の事例を基にした取り組みも視野に入れるべきであるとの見解を示した。
また、豊浦議員は、利用者数を拡大するための施策として、市民や観光客に対するインセンティブの提供を提案した。具体的には、地域での購買を促進するキャンペーンや、利用可能なサービスの拡充などだ。市長はこれに対し、地域の観光協会との連携強化などにより、リピーターを獲得する取り組みを進めていく考えを示している。
このように、観音寺市におけるデジタル通貨の活用は、地方産業の振興や地域経済の循環に寄与するものとして期待されている。今後の施策に注目が集まる中、この取組が市民の生活向上に寄与することが求められる。今回の一般質問を契機に、観音寺市のデジタル通貨の未来がどのように築かれていくのか、その進展に関心が寄せられている。