令和元年第2回観音寺市議会定例会では、様々な問題が議題に上がり、特に財政問題や選挙投票率の低下、交通安全、避難支援や認知症支援、さらには観光振興に資する施設の活用が広範囲に討議された。
最初に、社会民主党の篠原重寿議員が地方財政問題を提起した。彼は、地方への財源移譲や経済成長施策に対する地方の意見無視の現状を憂慮し、地方の特性を活かした「本来の自治体運営」を強調した。特に、来る消費税の増税について、地方消費税の増加に伴う交付税削減の仕組みについて疑問を呈し、財政の弱い自治体への影響を懸念した。
次に挙げられたのは、投票率の低下問題である。篠原議員によると、特に若年層の投票率が著しく低下している状況を指摘し、18歳選挙権導入後の実績を挙げて具体的なデータを示した。選挙管理委員会事務局長の森宗妃呂幸氏は、若年層に向けた主権者教育の重要性や不在者投票制度の周知を進める必要性を述べ、交通安全の問題にも言及した。
交通弱者の対策としては、安全な道路やゾーン30の整備についても話が及んだ。市民部長の薦田等氏は、地域内の規制や交通安全意識向上に向けた施策を紹介。さらに、観音寺市としての取り組みは交通弱者と高齢者を守る上で重要であると述べた。
災害時の避難支援に関しても多くの意見が寄せられた。健康福祉部長の大西憲裕氏は、「避難行動要支援者」の支援プランおよび登録制度について説明。避難支援者の情報の共有や、個別計画の作成状況についても言及し、市民との連携の重要性を強調した。特に、地域における情報の共有の重要性を訴えた。
認知症支援の取り組みも注目された。健康福祉部長は認知症サポーター数の増加を説明し、今後の普及活動が重要であるとの見解を示した。特に職員への養成講座の実施を提案され、これに賛同する意見が多く見られた。
ファミリープール跡地の活用について、政策部長の土井久史氏は、調査を進めている旨を報告した。一方で、自然環境への配慮から選定が求められ、多様な活用方法を模索する必要性を示唆した。市としては公募による提案を考慮するとともに、地域資源を活かした観光資源としての育成が望まれる。
観音寺港の大型船舶の係留問題については、建設部長の浮田健二氏が、港の改修や事業の運営方針について説明。県との連携を強化し、進出先企業の利用状況を見極めながら、将来的な発展に繋げる方針を示した。また、国庫助成の可能性や環境整備の重要性を強調した。
議会全体の討議内容は、観音寺市の未来に向けた重要な課題を反映しており、地域住民の生活の質の向上に寄与する施策へ向けた前向きな展望が期待される。