観音寺市議会が令和2年度予算を中心とした審議を開始した。
3月2日、観音寺市議会は令和2年第1回定例会を開会し、市長から新年度予算案が提出された。市長の白川晴司氏は、地域の活性化と防災力の向上を目指す施策を強調した。特に、新型コロナウイルスによる影響と人口減少問題が今後の施策の鍵となると述べた。
人口減少について白川氏は、年齢別で見た場合、死亡数が出生数を大きく上回る現状を指摘した。具体的には、令和元年の香川県の人口移動調査の結果、観音寺市は499人減少したことに触れ、「この状況を打破するには、地域の活性化が不可欠」との認識を示した。
新年度の予算案は275億9,000万円で、特に防災力向上に関連する施策に注力する。既存のインフラへの補強や新規プロジェクトが含まれている。たとえば、南海トラフ地震対策としての耐震診断の環境を整えることが明記されている。また、大雨による浸水被害を軽減するための事業が続けて推進されるとした。
また、教育関連施策も盛り込まれ、特に老朽化した学校施設の改修が計画されている。白川市長は「子どもの未来を守るため、学びやすい環境を整備する」と発言し、令和4年度の開校を目指した豊浜小学校の改築工事を進める考えを示した。
市はこのほか、地域ブランドの育成などで地域互助の強化を図る方針も明確にした。地域協力活動を通じて、都市部からの人材の導入を図るプログラムも計画している。
このような施策に向け、市長は「全員でこの地方創生の運動を盛り上げていく必要がある」と力を込めた。なかでも地域の特性を生かした取り組みが重要であり、今後の議論に期待が寄せられている。
議案は今後の委員会で審議され、次回の市議会は3月9日に予定されている。市民の期待に応える形で、若手職員のアイデアと行政経験を生かし、より良いサービスの提供を目指す姿勢が求められるだろう。