令和6年第3回雫石町議会定例会が行われ、重要な議題が討議された。特に、これからの鶯宿温泉の地域再生について焦点が当たった。観光資源を活かし、有効な戦略を打ち出す必要があるとされ、多くの議員がその重要性を強調した。
議論の中では、特に観光業の再興が切実な課題として認識されている。鶯宿温泉エリアには、歴史的価値と魅力的な観光資源が豊富に存在しているが、近年の経済状態により観光客数が減少している。この問題に対処するため、観光商工課長の瀬川拓也氏は、「合宿誘致や観光商品開発を進め、町内の観光事業者を支援することが不可欠」と述べた。
加えて、鶯宿温泉の施設の一部が経営不振により休業する中、行うべき施策に関しての意見も飛び交った。訪問者のニーズに応え、アーチェリー体験などの新たな観光コンテンツを追加することで、より多くの宿泊者を誘致できる可能性があると、町長は期待を寄せた。
しかし、その一方で地域おこし協力隊の活用状況に課題が残る。地域のニーズや住民とのつながりを強化するためにも、協力隊員には多くの地域事業に参加させ、有意義な経験を積んでもらうことが重要であると、定住率を高めるにはこれまでの取り組みを積極的に進める必要があると意見が集まった。
また、空き家問題も深刻な状況にある。特定空家の認定数は年々減少しているが、10年後の予測や解体に向けての制度の見直しに関して、町の対策が求められている。特に、空き家が不法投棄や犯罪の温床にもなるため、地域住民との連携を強め、積極的な管理が必要だと強調された。
最後に、日々の生活基盤を守るため、災害時の高齢者への支援体制も十分に整える必要があるとの声が上がった。特に冬季の災害時に、高齢者の健康への影響を最小限に抑えるために、各種施策が協議された。緊急時の迅速な救護や、地域の皆で助け合う精神を広める施策が討論され、さらなる進展が期待される。