雫石町の議会では、町道の管理や生活保護行政、牛飼い農家への支援について議論が行われた。
特に町道高前田5号線の狭隘状態に関する問題提起があり、住民からの不安の声が寄せられていた。これに対して、地域整備課長は「現在のところ民有地への占拠は確認されていない」としつつも、今後も陳情や要望を受けて十分に調査する方針を示した。
次に、生活保護行政の現状についても言及された。令和3年1月末時点での生活保護受給世帯は103世帯119人となり、前年より増加傾向にある。高橋克之社会福祉課長は、年金の少額受給や無年金者の生活困窮が主な原因であり、今後コロナの影響が長引けば、相談件数が増加する可能性があると指摘した。また、生活保護の捕捉率については、具体的な数値は把握できていないとして、個別の事情に応じた支援が続けられることが前提であるとした。
一方で、牛飼い農家への支援が不十分との指摘もなされた。西田征洋議員は、農家全体への損失補填が行われていないため、特にコロナ禍において苦境に立たされていると警鐘を鳴らした。これに対し、天川雅彦農林課長は、肉用牛肥育の経営継続支援事業を実施しているが、繁殖農家に対しては支援が限定的であると認めた。今後も畜産情勢を注視し、必要な支援を模索していく必要があると強調した。
多くの議員からボトムアップ的な意見も出され、今後の市政運営における住民との連携強化が求められた。雫石町の未来に向け、より一層の支援策が必要であるとの共通した意識が伺えた。