令和3年3月4日に開催された雫石町議会では、行政の重要な課題が多岐にわたって討議された。特に注目を集めたのは、網張地区の地熱開発についてである。
岩持清美議員は、地熱発電が持つ経済的潜在能力に言及。彼は、「地熱開発によって多くの経済効果が見込まれ、特に農業や観光分野での活用が期待できる」と述べ、現在の調査結果と今後の事業計画について明らかにするよう求めた。これに対し、政策推進課長の古川端琴也氏は「今年度は、良好な結果が確認できた」と応じ、さらなる調査が必要であると強調した。
一方、河川管理についても議論が行われた。特に、河川敷の木材伐採に関して、岩持議員は「洪水発生時の水位上昇を防ぐための伐採であるのか」と問いかけた。大久保浩和防災課長は、「伐採は洪水被害軽減のために必要な措置」とした。また、上川原地区での排水管拡幅についての懸念も示され、地元住民の意見を踏まえ、今後の対応に注目が集まる。
雪害に関する質疑では、昨年末からの大雪による被害状況が報告された。約1,655万円の被害額が推定され、支援策が急がれる中、県と連携し、早急な復旧を視野に入れた支援が検討されていることが明らかにされた。
さらに、町有地七ツ森開発についての進展も議題に上がった。猿子恵久町長は新たな事業者との協議を進めており、「地元資源を活用した持続可能な開発を目指す」と表明した。これに対し議員からは、「透明性のあるプロセスが重要」との指摘があり、町政の信頼性向上に向けた取り組みが求められた。
デジタル化に関する進展も重要な話題であった。加藤眞純議員は「自治体のデジタル化を急ぐ必要がある」と強調し、町長もこれに対して前向きな姿勢を示した。デジタル庁が発足する中、雫石町としても早急に取り組む姿勢が見受けられた。
これらの討議を通じて、雫石町議会では地域の課題解決に向けて行政の透明性確保と、町民の信頼回復が最重要であることが再確認された。