雫石町議会では、令和2年3月の定例会において、幅秀哉議員が一般質問を通じて町の各種施策について提言を行った。
特に、農業や社会福祉、公共交通に関する重要な課題が浮き彫りとなった。幅議員は、まず有害鳥獣対策に関し、特にイノシシによる農作物被害が増加傾向にあることを挙げ、電気柵設置の助成制度の継続と個体数を減らす捕獲活動の強化を求めた。町長は、電気柵設置の補助を見直し、さらに捕獲活動の強化に取り組む意向を示した。
また、国連が家族農業の10年を宣言したことを受け、町も小規模農家への支援を考慮すべきと幅議員は強調。町長は現行の補助制度の有効性を認識しつつ、新たな支援策を模索すると応じた。
グラステタニー症については、この疾病が牛に深刻な影響を及ぼすことから、効果的な対策の啓発を進める必要性があると指摘された。これに対し、町は肥料管理と土壌改良の重要性を再認識し、農家には具体的な情報提供を強化すると述べた。
公共交通網の改善に関して、幅議員は地域住民からデマンドタクシーの導入希望が集まっている現状を述べ、町の耳を傾けるべきだと主張した。町長と地区住民の意見を基に、今後の交通網整備に向けた指針を策定する考えを示した。
学校給食については、半額補助を行いながらも、全額負担とする可能性についても議論がなされた。町は、ふるさと納税を活用することで予算の厳しさを緩和し、より多くの支援を実施すると強調した。最終的には、給食の質とコストのバランスを考慮する必要がある。
高齢者の難聴対策について、町はすでに補聴器支援プログラムを展開しているものの、より広範な実態調査が必要との意見が出た。町長は、高齢者の生活の質を向上させるための調査について慎重に検討するとした。ぴたっと関係者との連携を図りながら、今後の方針をまとめると述べた。
今後、これらの提案を受け、雫石町は各施策の改善へと歩みを進めると期待されている。