令和5年3月の雫石町議会定例会では、地域の教育、農業支援、また新たに導入が検討される同性パートナーシップ制度、さらには環境問題である埋設ダイオキシンの取り扱いについての質疑が行われた。
一般質問では、金子一男議員が雫石高校の将来ビジョンについて具体的な取り組み状況を問いただし、教育長の佐藤嘉彦氏は、雫石中学校との部活動体験などの交流活動が進んでいると説明した。また、同校にはコミュニティ・スクールの導入計画も控えているが、進学希望者が少ない現状への危機感も示された。
一方、議員からの質問を受け、猿子恵久町長は令和5年度の予算案について述べ、地域の持続可能性を考慮した施策を進めていると強調した。特に、急激な人口減少に対応するために、異なる施策の組み合わせが必要であるという考えが示された。
農業支援に関して、飼料や肥料の価格高騰を受け、農林課の天川雅彦課長は、町独自の支援が継続されることを期待するとともに、農家の経営安定を図る施策を講じると説明した。これに対して、複数の議員から農産物の自給率向上などの提案があり、特に減反政策の見直しを求める意見が上がった。
同性パートナーシップ制度については、町民からの声を受けて町が検討を進めていることが触れられた。この制度は地方自治体が公的に認めることで、生活支援やサービス利用の改善を目指すものである。市町村単位の導入が進んでいるという背景に対し、町長は前向きな姿勢を示し、保護者の理解や支援を得ながら進める必要があると認識しているという。
さらに、埋設ダイオキシンに関しては、町民課の石塚賢一課長が現在国と連携しつつ、具体的な撤去策が検討されていることを報告した。国が主体となって進められるこの問題に対し、町も関与し適切な対応を求めていく姿勢が強調された。具体的には、一部議員から掘削対象地を町から提案することが必要ではないかとの意見が出された。
このように、雫石町議会では多岐にわたる議論が展開され、地域の人々の生活に深く関わる事柄が扱われている。町としては、今後も地域の特性に応じた施策を進め、持続可能な発展を目指す方針を示している。