令和5年度雫石町議会定例会において、当初予算の詳細が報告された。特に注目されるのは、新型コロナウイルス感染症の影響や物価高騰に対する対応であり、町民ニーズを的確に捉えた行政サービスの確保や充実が図られる。
町長の猿子恵久氏は、予算編成について「真に必要な取組に重点的に投資する」と述べ、各施策の優先順位を明確化したという。その中で、農林水産業に対する予算が増額されており、地域の特性を生かした農業の振興を目指している。
特に関心が集まったのは、農業を取り巻く環境の厳しさだった。肥料や飼料の価格高騰により多くの農家が苦境に立たされていることが強調され、猿子町長は農業者との対話を通じた支援の重要性を訴えた。
また、農業資材や畑地化に関する調査が行われており、飼料用米の生産についても取り組みが継続される。農林課の天川雅彦課長は、農家には飼料用米を作付する経済的なメリットがあることを伝え、転作の進捗についても今後注視していく考えを示した。
一方、地熱発電についても触れられ、大松倉山南部地域での調査が進行中であり、今後の事業化の見通しが期待されることが報告されている。井戸掘削の進捗や環境調査の結果に基づき、地元の方々がこのプロジェクトにどのように関与していくかが焦点となっている。