令和元年12月に開かれた雫石町議会定例会では、地域の環境問題や国民健康保険制度に関する市民からの要望が議論された。
まず、長山地区における汚染河川の問題が取り上げられた。議員からは、食品工場における廃水の処理状況が問題視されており、具体的には、工場の周辺から発生する悪臭や水質汚染について懸念が示された。町長は、同工場が今年度から清掃活動を年4回に増やし、地域住民と連携して排水改善作業を進めることを明かした。この取り組みは、来年4月からの2年間、工場が主導で行われ、改善が見込まれる場合には本格的な対策を講じる意向があると述べ、町はこの動きに注視していく方針を示した。
次に、国民健康保険の負担軽減についても議論された。特に、均等割が子供の多い家庭にとって過重な負担となっていることが指摘された。町は、現在国保制度に基づき保険料軽減を求める要望を国に出しているが、現時点では具体的な施策が見えない状況であることを明らかにした。議員は高額な均等割の見直しを促し、子供を持つ家庭への支援策を求めた。
また、高齢者の難聴に関する問題も浮上し、補聴器の購入における支援が求められた。町は補装具費支給制度を通じ、身体障害者手帳を持つ難聴者に対して補助を行っているが、それ以外の高齢者への支援は考えていないことが答弁された。議員は地域住民の声の把握の重要性を強調し、今後の検討を求めた。
最後に、自動車運転免許の自主返納に対する町の姿勢も問われた。高齢者の事故率が増加していることから、町は返納者への支援策を検討しているが、具体的な施策は未定で、公共交通の充実に向けた取り組みが急務であることを確認した。今後も高齢者の運転免許問題に関して、国や市町村と連携を持って進めていく方針が示された。