雫石町は、令和2年第3回定例会において、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける町内事業者への支援策と、北上川上流流域下水道事業の進捗状況について議論した。
新型コロナウイルス感染症の影響による町内事業者の現状について、町長の猿子恵久氏は、観光、飲食業、タクシー事業者などが特に厳しい状況にあると述べた。例えば、観光業は予約キャンセルや来客の減少、自主休業などで、売上が大幅に減少している。農業においても、畜産の枝肉価格や子牛市場価格が落ち込み、特に花卉業界では需要期に出荷できない事態が続いている。これらは町の経済活動に大きな影響を与えている。
続いて、町独自の支援策について猿子町長は、観光業や商工業に対して具体的な支援事業を展開すると強調した。観光分野では、温泉宿泊事業者に対する経営支援金や、県民に対して宿泊施設利用のためのクーポン券を販売予定であることが報告された。商工分野においては、飲食店へ利用可能なクーポン券を発行し、販売を促進する施策を行うと述べた。また、農業分野では、肉用牛の肥育経営安定助成や、農業者への直接的な補助を行う計画が立てられている。
さらに、国の二次補正予算に伴う町独自の支援策として、経済活動における影響を受ける町民や事業者に対して、支援内容を検討していくと町長が述べた。特に、製造業や建設業の影響については、今後の経済動向を注視しながら、必要に応じて支援を拡充させる方針が示された。
下水道事業に関しては、北上川上流流域下水道事業の鴬宿幹線について、現在の進捗状況が説明された。県の整備により、桝沢橋までの工事が進んでおり、令和5年度末までには完了する予定である。その後の鶯宿温泉街周辺の整備についても計画があり、環境整備が進むことが期待される。