令和3年6月30日、三木市議会は第365回定例会を開催し、複数の議案について審議が行われた。
この会議では、特に令和3年度三木市一般会計補正予算(第4号)に関する議案が注目を集めた。その中には、神戸電鉄粟生線の三木駅再生事業の費用増加が含まれており、この項目は市民からの関心が高い内容となっている。市長の仲田一彦氏は、増額の理由について、安全基準への適合に伴う工事内容の見直しや材料価格の高騰を挙げ、約4,000万円の追加経費が発生したと説明した。
この駅の再生事業には、国の助成金と市民からの寄付金も活用されており、現在までに寄付金は1億3,162万円に達しているという。市民の期待を裏切る形での工事費の急増に対し、議員の新井謙次氏は、市民への説明責任を強調した。「なぜ1億3,000万円から約7,000万円も増えるのか。市民に対して説明を行う必要がある」と述べた。
他方、今回の議案に対し議会の同意を求める副市長の選任や人権擁護委員の推薦に関する審議も行われ、国の進めるデジタル改革関連法の成立に伴う条例改正や、新型コロナウイルスワクチン接種に関する予算も承認された。市長は特にワクチン接種の加速に努め、旧志染中学校を大規模接種会場とする計画についても説明を行った。
会議の冒頭では、去る6月20日に逝去された加岳井茂議員に対する追悼の言葉が捧げられ、全員起立のもと黙祷が行われた。この追悼の中で、堀元子議員は、加岳井議員が長年地域活動に尽力され、多くの市民に慕われていたことを述べ、その人柄をしのび、三木市の発展への貢献を誓った。
市長の締めの挨拶では、駅再生事業に関する不手際を認め、迅速な対応を求める姿勢を示した。今後も市民の信頼回復に向け、徹底した情報の提供と関係者との調整を強化する意向を強調した。