令和2年12月9日に開催された福井市議会の定例会では、特に市政に対する一般質問が大きな焦点となった。
寺島恭也議員は、コロナ禍における移住・定住や企業誘致について言及した。新型コロナウイルス感染症の影響により、東京都から地方への移動が進んでいるとし、特に福井県が住民相談件数で過去最高を記録したことを挙げる。これに対し、吉田修二総務部長は、今年度の福井市への移住相談件数が141件で、前年度の51件と比較し約3倍に増加していると報告した。この実績は、充実した教育環境や子育て支援が魅力になっていると説明した。
また、北陸新幹線福井開業に向けた準備状況についても議論が交わされた。寺島議員は、建設工事の遅延が福井市への移住や定住に影響を与える懸念を示し、吉田総務部長は、開業が遅れることで移住者へのアピール効果が小さくなる可能性があると述べた。
一方、福井県民衛星「すいせん」の打ち上げに関連して、寺井道博商工労働部長は、衛星プロジェクトが県内の製造業の発展とデータ利用の促進に寄与することに期待を寄せた。特に、県内企業がこのプロジェクトに関与する様子が語られた。
教育部門に関しては、登下校の安全問題が取り上げられ、登校時の交通安全対策や通学路の設定についての議論が行われた。教育部長は、通学路の安全性を確保するため、教育委員会が各学校の通学路を確認し、危険箇所については適切に対応していると強調した。
さらに、近年の増加傾向にある児童虐待に対する対策も問われた。福井市では、児童相談所での相談件数が増大している現状に対し、地域全体での連携を強化する姿勢を示している。