令和5年12月福井市議会定例会が開催され、一般質問が行われた。議会に出席した福井市長の東村新一氏は、16年にわたる就任期間を振り返り、北陸新幹線の福井駅開業をはじめとする様々な市政の歩みを紹介した。特に、需給関係の変化に影響を受け続ける農業、特に米作りの現状と課題が深く掘り下げられた。
質問者の皆川信正君は、東村市長に対し、北陸新幹線開業に向けた市の取り組みや、これまでの市政運営における思いを伝えた。市長は、福井市が夢や希望を持って生活できる環境を築くことに尽力してきたことを強調。さらに、北陸新幹線の開業で交通利便性が高まり、観光客やビジネスパートナーの増加に期待感を示した。
次に、農林水産部長の藤田嘉裕君が述べた内容では、高温障害がもたらした影響について詳述された。高温による米の収穫量や品質の低下が懸念される中、福井市の一等米比率の変化について触れ、今年度の米価格上昇についても言及があった。この情報は、生産者たちにとって一つの明るい材料になり得る。このような状況において、本市では小規模農家への支援策を展開しており、高温障害への対策も考慮に入れた農業政策を進めていくことが約束された。
さらに、地域交通の重要性が強調され、特に福井市地域公共交通計画が、北陸新幹線開業を受けての人流拡大に対応するために策定されたことが伝えられた。公共交通の見直しや新たな交通手段としてのデマンド交通の導入が議論され、地域住民と交通事業者との連携による持続可能な交通環境の構築が求められた。
また、有害鳥獣による農作物への影響についても、地域密着の対策が進められていることが示された。特に、イノシシや鹿、さらには熊による被害への対応が各関係者によって行われており、村や自治体、猟友会との協力が重要視されている。このような効果的な対策が、農業にとっての安心感につながることが期待される。
最後に、一般質問では、道徳教育の重要性や、子ども食堂への支援に関する思いや、女性特有のがん対策に関する政策が取り上げられた。特に、子どもたちの育成において道徳心を養うことが重要であるとの見解が強調された。また、子ども食堂や子どもへの栄養支援のニーズが高まっている中、福井市としての継続的な支援の必要性が述べられた。
今後も地域住民の声を反映し、共に歩む福井市の姿勢が貫かれることが期待される。