令和元年6月定例会は福井市議会において開催され、議事日程に基づき市政に関する一般質問が行われた。議長の堀川秀樹氏は会議の成立を宣言し、寺島恭也議員と津田かおり議員が会議録署名議員として指名された。
この日の一般質問では、特に交通安全に関連した問題が取り上げられた。田中義乃議員は、県との連携強化を求め、特に杉本知事に交代したことによる連携の強化内容について質疑した。田中氏は、福井市全ての部局にとって県との連携は不可欠であるとの認識を示し、県が市町と距離を置いた結果、十分な連携が図られなかったことを指摘した。これに対し、総務部長の前田和宏氏は、「北陸新幹線福井開業に向けた環境整備が必要です」と強調した。
さらに議論は高齢者の交通事故防止策に移り、田中議員は交通事故による死亡者数の減少を目指す福井市の交通安全計画に対する進捗について質疑。市の都市戦略部長は、令和2年までに年間の交通事故死者数を10人以下に設定するという計画が進行していると報告した。
相次ぐ高齢者による交通事故を防ぐため、田中議員は自動ブレーキや運転サポート装置の助成、免許返納者への公共交通機関の利用促進などが必要であると主張。議員からの提案に対して、田中氏は市民に適正な交通安全策が必要であるとの考えを示した。
次に、日本遺産の認定を巡る質疑も行われた。田中議員は、福井市が「400年の歴史の扉を開ける旅」をテーマに、日本遺産に認定された経緯について質問。市長の東村新一氏は、地域活性化や国からの支援を受けることで、福井の文化財の魅力を発信し続けていく方針を説明した。
さらに、田中議員は地域観光を強化し、交流人口の増加を図る必要性を指摘。観光庁が計画しているインバウンド向けの旅行商品開発など、新たな取り組みの導入を求めた。また、文化庁が支援することで地域活性化につながることが期待されている。
これらの一般質問において、福井市は地域の安全及び特色ある文化の振興に向けた施策を今後も継続的に推進していく考えを示した。市のリーダーシップにより、交通安全対策や地域振興、日本遺産の活用が行われることが求められている。今後も市民の安全を考慮した施策が展開されることが期待される。