令和3年9月6日、福井市議会は定例会を開催し、各議員が市政についての一般質問を行った。
特に注目を集めたのは、7月29日に発生した豪雨被害に関する議論だ。池上優徳議員(一真会)は、猛烈な大雨による被害状況を詳細に報告し、以前にも経験したことのない恐怖を感じたと述べた。具体的には、福井市内で多くの避難指示が出されたにもかかわらず、逃げることができなかった人々の声が届いたという。池上議員は「今回の大雨に対してどのような対応を行ったのか」と市長に質問を投げかけた。
市長の東村新一氏は、大雨の際に土砂災害警戒情報を早期に発令し、避難指示を発令したことに触れた。具体的には、午前5時25分に警報を発表し、午前6時には避難所を開設したと説明した。また、避難指示が出された20地区では、住民が避難所に避難した人数についても報告がなされた。さらに、今後は迅速な情報発信を行うと約束した。
次に、ひきこもり支援に関する質問も行われた。福祉保健部長の齊藤正直氏は、ひきこもり状態にある市民の実態を把握し、支援体制を整えていく必要性を強調した。具体的には、アウトリーチ型支援や家族への支援が重要になるとのこと。
また、ゼロカーボンシティの推進に関する発言もあった。市長は2050年に向けて、一連の環境保護施策を講じる方針を示し、特に再生可能エネルギーの導入や地域環境と調和した施策の推進を約束した。これに対し、意識啓発に努める姿勢が重要であると付け加えた。
新型コロナウイルス感染症についても多くの発言があった。特に、若年層へのワクチン接種の促進や、地域の医療体制の強化が求められた。市は、ワクチン接種を円滑に進めるための方策として、土曜や夜間の接種枠の拡充に向けて努力を続ける必要がある。一方で、感染者が増加している現状を受けて、母子家庭などに対する支援策も求められた。
また、福井フェニックススタジアムの管理運営に関する問題も取り上げられた。堀川秀樹議員は、施設の清掃や管理体制が不十分とのことで、市の直営管理が問題だと指摘した。更に、施設の維持管理についても専門家の意見を取り入れるべきと訴えた。
最後に、北陸新幹線福井開業に向けた施策では、交通ネットワークの拡充や、観光客誘致に向けた戦略が求められた。福井市は新幹線の開業に合わせて、地域の魅力をアピールするためのプロモーション活動を展開していく方針を示した。
議会では、福井市の未来のために大切なこの課題に対して、市民全体として前向きな姿勢で取り組む必要があるとの意見が相次いだ。