令和2年11月30日、議員全員協議会が開催された。
協議の主要議題は「第30回与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームでの内容について」である。国土交通省は、工期短縮と建設費縮減について検討をするため、検証委員会を設置している。本日は説明のみに留まり、質問を受け付けない案件とのことで、議員の理解が求められた。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構から説明を受けたのは、新幹線部部長の渡邉氏である。北陸新幹線金沢-敦賀間の整備状況について述べ、当初の令和4年度末完成に向けた進捗が、大きな遅延と事業費の増加を抱えていることを報告した。現段階では、工期が約1年半遅延し、事業費は2,880億円の増となる見込みであるとされた。
渡邉氏は、工期遅延の原因として、加賀トンネルや敦賀駅の工事における資材と人材の確保の困難さを挙げた。特に加賀トンネルにおいては、盤膨れと呼ばれる土壌の膨張が認識され、その対策工事が必要となった。適切な工法による施工でも、想定外の地盤の膨張が影響を及ぼしたという。
敦賀駅においても、狭い作業スペースゆえに土木工事と建築工事の同時施工が難しい状況が影響している。この問題に対処するため、渡邉氏は、駅舎の土木工事を進めつつ土木工事と建築工事を同時に行う努力が行われているが、限界があるとの報告もなされた。工期の短縮が難しいことが、改めて強調された。
工事費の増加要因についても言及があり、物価上昇や地質不良、法令改正などの影響が複合的に影響している。特に入札不調や資材不足が工事の進捗に悪影響を及ぼしているとのことだった。生コン不足対策や他地域からの資材調達を行っているものの、依然として工期の延長が避けられない厳しい状況にある。
今後は、国土交通省と連携しながら、工期短縮とコスト管理に力を入れる意向が示された。渡邉氏は、迅速な対応と現場の改善を通じて、できる限り早い完成を目指す姿勢を明らかにした。
以上で協議は終了し、議員全員協議会は閉会した。