越前市議会は令和３年９月定例会を開催し、様々な議案が提出された。
主な焦点となったのは、令和３年度越前市一般会計補正予算（第５号）の提案である。この補正予算は、コロナウイルス感染症の影響を受けた市民の安全と安心を確保するために、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、必要経費として8,250万円を計上した。
具体的には、子ども福祉施設の感染防止対策や、事業所の応援事業に対する補助金などが含まれる。小泉陽一企画部長は、歳出予算内訳として、民生費に4,340万円、商工費に2,380万円、教育費に1,460万円を計上したと述べた。この結果、補正後の予算総額は361億4,098万6,000円に達する見込みである。
また、越前市道の駅設置及び管理条例の制定に関する議案も可決された。小玉俊一産業建設委員長は、道の駅の設置により地域活性化や観光効果が期待できるとの考えを示した。教育厚生委員会からは水道事業給水条例の一部改正案も提案され、健全な水道事業のための基盤整備が図られる。
さらに、議会活性化に関する調査も行われ、議員報酬及び議員定数の適正化について検討が続けられている。橋本弥登志議会活性化特別委員長は、ランダムに市民の意見を聞くことを重視し、議会の改革案を進める方針を述べた。
一方で、沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂の埋立てに関する意見書が提出され、悲惨な歴史を尊重した取り組みが市民から求められている。特に、遺骨収集の法整備についても言及され、議会としての姿勢が問われている。
今回の定例会では、これらの議案の採決が行われ、全体として穏健な議論が進展した。市長の挨拶では、任期中の成果が紹介され、市の発展への期待が寄せられた。