越前市では、令和6年6月定例会において、鳥獣害対策やこども誰でも通園制度の推進、さらにはオーガニック都市宣言と環境政策について議論がなされた。
議会では、鳥獣害対策の現状について、そもそも鳥獣による被害が年々増加していることが強調された。新たに法律が改正され、ツキノワグマを指定管理鳥獣に追加したことで、今後の捕獲計画にも影響を与えるとされている。市では、捕獲隊の人員や方法について検討が進められているものの、依然として十分な捕獲が行なわれていないことが懸念されている。
次にこども誰でも通園制度について、令和8年度から全国展開が予定されていることが報告された。この制度は、保護者の就労要件にかかわらず利用できるようになり、子供とともに過ごす時間を確保しつつ育児負担を軽減することを目指している。しかし、この制度導入にあたっては保育士の負担増加の懸念があるとして、事務負担や対応の柔軟化が求められている。
また、越前市は「オーガニック都市」を目指しており、有機農業の推進が強調された。市内の有機農業は他の自治体に比べて高い利用率を誇るが、品質や安定供給に対する継続的な努力が必要とされている。国の補助金を受けて、市民への還元や生産者との連携を強化し、より良い食材を確保することが目指されている。
最後に、保育士の職場環境についても言及があり、保育士不足や離職理由についての実態調査が行なわれた。特に、給料や業務量の多さが離職の理由として挙げられ、今後は市独自の支援策をさらに強化することで、保育士の確保に繋げようとする動きが見られる。
こうした議論を通じて、越前市は市民皆が安心して生活できる環境づくりを一層進めていく意向を示しているが、具体的な対策と数値目標を明確にした上での実施が求められている。