越前市議会は令和2年3月定例会において、7件の予算案を審議した。
議題の中心は令和2年度の各特別会計予算であり、一般会計予算が最初に取り上げられた。議案第8号の一般会計予算には、観光振興事業やインフラ整備の取り組みが含まれていることが注目されている。特に、観光関連の質問が多く、吉村美幸市議は「令和5年春の新幹線開業に向け、観光客の滞留時間や消費予測を示してほしい」と質疑した。これに対し、小泉陽一産業環境部長は、周遊観光の拠点として位置付ける方針を説明した。
次いで、吉村市議は紫式部に関連した商品販売の可能性についても提案した。小泉部長は、観光客向けの自販機や売店の設置を検討する意向を示した。他の市議からも、万葉の里や関連施設との連携強化が求められた。吉村市議は「観光の振興は地域活性化の起爆剤になる」と強調し、地方創生における観光の重要性を訴えた。
また、予算案には上下水道に関する委託業務が含まれており、橋本弥登志市議は「滞納者への強制徴収を避け、地域住民との連携を強めるべきだ」と意見を述べた。小泉部長は「不安を抱える住民への配慮が重要」と返答し、各市民と連携しながらの徴収強化を図る姿勢を明らかにした。
最後に、議案には国民健康保険や介護保険に関する事項も含まれ、近藤光広市議は「医療費抑制に向け、民間との協力強化が求められる」と指摘した。川崎規生市民福祉部長は、大手生命保険会社との連携を維持し、今後も健康促進を進める意向を示し、より良い市民サービスの提供を目指すことを約束した。
今回の定例会では、各議案への質疑が盛んに行われ、議員は市民目線での政策実施を強く求めていく姿勢を示したことが印象的であった。