越前市議会では、令和元年9月定例会において高齢者の運転免許返納、公共交通の利便性向上、並行在来線の利用促進が重要なテーマとして取り上げられた。
優先順位が高いのは高齢者の運転免許返納への取り組みである。吉田啓三議員は高齢者運転者の交通事故が増加傾向にあることを指摘し、免許返納の促進について尋ねた。大蔵稔雄企画部長は、越前市では65歳以上の自主的な免許返納者に対して市民バスの無期限無料利用を実施しており、返納者数が前年比35.8%増加したと述べた。さらに、75歳以上の高齢者向けに市内タクシーの運賃割引も行っていることを強調した。
次に、北陸新幹線南越駅周辺の整備について議論された。吉田議員は新幹線開通後の市民生活の変化に対し懸念を示し、中心市街地への影響を尋ねた。平野建設部理事は、新幹線がもたらす影響についてしっかりした検討を進めていく必要があると答えた。特に武生駅の停車件数が減るのではないかとの懸念が議題になり、議員たちは利用促進のためにさらなる施策を提案した。
また、地元産業の活性化、文化財や歴史的地区の価値向上も根本的課題として話し合われた。福井県内では観光地としてのインフラ整備など地域活性化に関するさまざまな試みがなされている。市としても、これを機に地域振興を図る方針を持ちつつ、外部からの来訪者による経済効果を期待する動きがある。
さらに、高齢者福祉における医療と介護の連携、また市民負担を軽減する施策展開についても意見が交わされた。特に、医療費負担軽減策としての補聴器購入助成や、若年性認知症対策が強調された。市民からも助成制度に対する声が上がっており、実効性のある施策が求められている。
最後に、今後の経済予測に基づいて税率や支出改革の必要性が論じられた。少子高齢化が進む日本において越前市もザイン明瞭な行財政改革が求められている。市長は、地域におけるコミュニティの強化やより良い環境づくりについて検討を続ける姿勢を示した。