令和6年3月の宇和島市議会定例会では、様々なテーマが協議された。
特に注目されたのは、地震に対する防災・減災対策やシビックプライドの向上である。市民生活に直接的な影響があるこれらの議題に対して、発言が相次いだ。
中平政志君(会派みずほ)は、能登半島地震について触れ、市が求められるべき即応策について質問した。市長の岡原文彰君は、施政方針に基づく防災策の強化を表明し、地域に根差したシティセールスについても言及した。
また、”ココロまじわうところ”というキャッチコピーの意義が問われると、教育長の金瀬聡君は市民の日常に根差したブランディングの重要性を強調した。観光と地域振興、さらには地域コミュニティの改善に向けた取り組みが進められるべきとの提案である。
シビックプライドに関する項目では、地域の誇りと愛着に基づく団結の必要性が議員から指摘された。これは市民が地域の未来をより良くするために、自身の役割を認識し、活動することを促すものである。岡原市長もこの意見に賛同し、地域文化の理解と教育が重要であることを示した。
医療機関の後継者不足の問題については、統括官の松岡美志君が地域での医療体制の継続を図るため、支援策の拡充を提案された議論が展開された。さらに、宇和島市の第一次産業の持続と振興についても、多くの意見が寄せられた。特に、高齢化が進む中での農林水産業の担い手育成の重要性が指摘されたことは、大きな課題として受け止められた。担当する松岡君は、沿岸や山間部の恵まれた自然資源を最大限に活用した農業振興の方向性を示し、地域との連携強化を図る必要性を訴えた。
最後に、ワクチン接種の健康被害救済についても多くの関心が寄せられた。細かな数字とともに呼びかけを行った市民は、接種後の健康調査を市に対して望む意見が大勢を占めた。
様々な議題が取り上げられ、時折熱の入った議論が展開された本会議の様子が伺えた。市としては今後も、こうした会合で提示された市民からのニーズへ、どう対応していくのかが求められている。各議員は、その意見をしっかりと拾い上げ、市民への説明責任を果たす意向であるとの姿勢も見られた。