令和2年3月3日、宇和島市議会の定例会が開催された。議会では、複数の重要な議案が審議されたが、特に注目されたのは、災害からの復旧及び新たな施策に関する説明である。
岡原文彰市長は施政方針の中で、平成30年7月豪雨災害の影響に触れながら、復旧に向けての進展状況を報告した。仮設住宅での生活を余儀なくされている人々の姿が依然として多く存在していることを強調し、今後も国や県と連携を強化していく意向を示した。市長は、「地域支え合いセンターやボランティア団体との連携を通じ、きめ細やかな支援体制を構築する」と述べ、復興には長い時間がかかることが予想されるとした。
同定例会では、令和2年度の一般会計予算が提案され、予算総額は431億6,800万円とされている。この中には、新たな施策として、宇和島ブランド魅力化計画などが盛り込まれており、シティセールスの強化を目指していく考えが示されている。市長は、「防災・減災施策にも力を入れ、自然災害に備えた地域作りを進めていく」と強調した。
また、介護保険特別会計についても議案が提出され、予算の調整が行われることが確認された。この中では、特に高齢者が自立した生活を送るための支援策について議論が交わされた。委員からは、「地域にとって重要な福祉制度の見直しが求められている」という意見が出され、それに対して理事者からは今後の改善策が説明された。
なお、地域情報ネットワーク施設設置条例の一部改正案も上程され、情報共有の効率化が図られる予定である。市民環境部長は、「この改正により、より一層迅速な情報提供が可能になる」と説明した。
討論を経て、これらの議案については全会一致で可決が決定された。議会出席者は24名であり、欠席はなかったことが報告され、議長は市議会の円滑な運営が維持されていることを称えた。いずれの施策も、地域生活向上を目指すものであり、引き続き市民への情報発信が求められる。