令和3年3月、宇和島市議会定例会が開かれ、主要な施策が議論された。
本会議では、新型コロナウイルス感染症対策が重要なテーマとして浮上した。清家康生議員は、政府の財政支出増加が地方自治体に及ぼす影響について問い、市の財源の見通しと令和3年度以降の財政運営を市長に尋ねた。市長の岡原文彰氏は、令和3年度も国からの交付税が見込まれるものの、減収が約1億4000万円に達する見込みであることを説明。また、地方交付税や自主財源の厳しい状況を受け、今後の財政運営は堅実なものにする必要があると強調した。
次に、総合戦略事業についても言及された。清家氏は、昨今のコロナ禍が影響を与え、多くの事業が中止または見直しを余儀なくされている状況を指摘した。市長は、第2期総合戦略において、人口減少を克服し活力ある地域社会を目指す施策に取り組んでいくとし、リモートワークを活用した新たな施策の展開を進める意向を示した。
さらに、希望される養殖業への支援策も焦点となった。養殖真珠業界は、稚貝の大量死やコロナ禍による市場の収縮に直面し厳しい状況にあります。市の楠憲雄産業経済部長は、金融支援策を活用した資金繰りの支援について触れ、具体的な取り組みとしてアコヤガイのへい死対策や販路の拡大施策を検討中であると答弁した。
また、教育長の金瀬聡氏は、教育現場における感染対策について、新型コロナウイルスの影響で児童・生徒の学びが損なわないよう、ICTを活用した学習支援策を実施していることを説明した。今後、従来の教育行政の枠組みを再考し、柔軟性を持った支援体制を構築すべきとの意見も呈された。
最後に、宅地開発や公共インフラの整備についても言及があった。市民生活を支えるために不可欠なインフラ整備には、限られた財源を効率的に使用し、優先順位を定めて進める重要性が認識された。本議会は、今後の施策の方向性について市民との対話を重視する姿勢を示している。