令和6年3月6日に開催された宇和島市議会定例会では、代表質問が行われ、市の重要な政策や施策について議論が交わされた。特に、令和6年度の当初予算の467億6,900万円は過去10年間で3番目に多く、物価高騰対策や地域経済の下支えに取り組む姿勢が示された。さらに、シティセールスの強化が図られ、宇和島市の知名度向上と地域の魅力発信に向けた具体的な施策が説明された。
市議会会派みずほを代表した三曳重郎君は、能登半島地震の影響について懸念を示し、同地震から得られた教訓を踏まえた防災・減災対策の強化が必要であると述べた。市長の岡原文彰君は、南海トラフ地震に引き続き、住民の生命と財産を守るための施策を講じると約束した。これには、危機管理探索が新しく組織され、より効果的な防災対応が予定されている。
さらに、議会では水道事業の耐震化率についても取り上げられ、宇和島市の耐震化率は令和5年度末時点で約21%に過ぎないことが伝えられた。水道局は、今回の地震を教訓に、事業の強化とともに、断水対策が喫緊の課題であると強調した。これに関連して、吉川優子君は、地震による断水対策を進める中で、持続可能な水道事業経営の重要性を指摘した。
医療制度に関しては、市立宇和島病院におけるエネルギーセンターの建設事業が進行中であり、こちらも災害拠点としての医療機能の強化につながるものとされている。市長は、この拠点病院が地域医療を支える役割を今後も果たし続けると述べた。
最後に、観光資源の活用についても熱い議論が交わされた。三曳君は、宇和島市の観光業の振興が地域経済の発展に寄与すると訴え、観光客に喜ばれるような新しいイベントの開催を検討すべきであると提言した。また、吉川君は、宇和島城を始めとする地域の文化財の価値向上を図るために、持続可能な観光モデルを構築していく必要性を訴えた。今後、これらの施策が実効性を持てるか、市民の理解を得られるような運営体制の構築が求められる。